【アロマトリートメント】キャリアオイルの基本から選ぶポイント|おすすめのキャリアオイルと一覧

キャリアオイルは、美容や健康に関する多くの用途で利用される
多目的の自然なオイルです。

目次

キャリアオイルとは何か?

キャリアオイルは植物由来の油です。
精油のように濃縮された液体は直接皮膚につけることができないため、
プロのアロマセラピストはトリートメントの際に
希釈してブレンドオイルを使用します。

キャリアオイルとは「carry(運ぶ」に由来する造語で
精油を身体に運ぶものという意味でつけられました。

そのため精油の浸透においては最も重要と言えるものなのです。

キャリアオイルの役割

✓原液では塗布することのできない精油を希釈する
✓肌を軟化させる
✓肌に油分やビタミンを供給する
✓精油の揮発性を抑え、より長く表面にとどめ、精油の吸収率を良くする

キャリアオイルの選ぶ条件

①低温圧搾で抽出されたもので、すべりや浸透がよいもの

②肌や体に有用な成分が含まれており、栄養価の高いもの

③添加物の加えられていない100%天然のもの

④新鮮なもの

使いやすいおすすめのキャリアオイル

数あるキャリアオイルの中でどれを選べば良いか迷う、
初心者さんでも使いやすいキャリアオイルをご紹介します。

ホホバオイル

迷ったらこれ、というほど、よく伸びて扱いやすく王道のキャリアオイルです。
皮脂に似た構造を持つため、肌なじみが良く、毛穴詰まりを防ぎます。
安定性が高く品質を長く保てるオイルです。
植物性の液体ワックスで油脂ではなくロウに分類され、低温で固まりますが
室温で元に戻ります。

スイートアーモンドオイル

伸びが良くアロマトリートメントに最適で扱いやすいです。
鎮痒作用や抗炎症作用がありますが、
ナッツのアレルギーがある場合は注意をしましょう。

オリーブオイル

ビタミンEが豊富で抗酸化作用があるため乾燥肌に適しています。
リラックス効果を求める場合にもおすすめです。

マカデミアナッツオイル

軽やかな質感を持ち、肌にさらっとなじみます。
重たい感じがせず、アロマトリートメントに向いています。
非常に保湿力が高く乾燥肌やエイジング肌に向いています。

グレープシードオイル

さっぱりとした質感で、敏感肌に向いています。
抗酸化作用があり、早く吸収されるためマッサージに向いています。
酸化するとにおいがとれづらくなる場合があるので他のキャリアオイルと
混ぜると良いです。

キャリアオイルの特性

キャリアオイルは精油を体内に、どの速度で、どのように運ぶのか、
それを大きく左右します。

精油同様、ブレンドによってその効果を最大限に発揮させることができます。

脂肪酸

知っておきたいポイント①

飽和脂肪酸=炭素の二重結合のない脂肪酸
→分解しにくく、安定している

不飽和脂肪酸=炭素の二重結合が1か所以上ある
→分解しやすく、不安定

飽和脂肪酸は皮膚表面に残る性質が強く出るため
皮膚を守るという長所がありますが、
オイル焼けに気を付ける必要もあります。

不飽和脂肪酸は二重結合がいくつあるのかによって分類が変わります。
二重結合があればあるほど結合が切れやすく、分解されやすいので
浸透も早くなり酸化もしやすくなります

(酸化しにくい)          (酸化しやすい)
飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸

含まれる脂肪酸によって質感や作用が変わってきます。
一価不飽和脂肪酸が多く含まれていると保湿作用が高いため
肌を柔らかくし、肌の健康を整えます

多価不飽和脂肪酸は体内で合成することができない人間に不可欠な脂肪酸です。
多く含まれると浸透性が高くなります

主な脂肪酸

【飽和脂肪酸】
 ラウリン酸…酸化安定性が高く、保存性に優れる
 パルミチン酸…酸化安定性が高い

【一価飽和脂肪酸】
オレイン酸…血中コレステロールを下げる。体内で合成できる
パルミトレイン酸…皮膚に多く含まれ、
マカデミアナッツ油の特徴成分

【多価飽和脂肪酸】
リノレン酸…必須脂肪酸
二重結合の位置の違いでα-リノレン酸とγ-リノレン酸に
分けられる

リノール酸…必須脂肪酸
皮膚再生や循環器系の保護。
最終的にアラキドン酸に変化する

アラキドン酸…体内でリノール酸やリノレン酸から合成される

α-リノレン酸
…必須脂肪酸
体内でDHAやEPAに変化
アレルギー性疾患の抑制

γ-リノレン酸
…必須脂肪酸

DHA
…α-リノレン酸からEPAを経て合成される

EPA
…DHAと相補関係、アラキドン酸の働きを抑制

植物油の分類
知っておきたいポイント②

キャリアオイルは不乾性油半乾性油乾性油に分類することもできます。
常温でオイルが酸化して固まるか、乾燥するかどうかです。

不乾性油
=ヨウ素価100以下
空気中で固まらない
アボガド油、オリーブ油、ツバキ油、マカダミアナッツ油 など

半乾性油=ヨウ素価100~130
空気中で完全には固まらない
セサミ油、スイートアーモンド油、小麦胚芽油、ナタネ油 など

乾性油=ヨウ素価130以上
空気中に放置すると酸化して固まる
グレープシード油、月見草油、ローズヒップ油、サフラワー油 など
乾性油の方が酸化が早いですが、乾燥しやすいので
使用後のさらっとした感覚は強くなります。

キャリアオイル一覧

アロマトリートメントによく使用するキャリアオイルをまとめました。

あ行

アボカド油
【浸透性】とても良い
【ヨウ素価】80~95
【感触】粘度が高くっや油っぽい感じ
【香り】ほぼ無臭
【使用場面】お肌の緊急時、お手入れ不足、硬くなった角質に。
【主な成分】パルミトレイン酸5~10%、オレイン酸70%、リノール酸10%
レシチン、ビタミンA、E、B
【アロマトリートメントでの有効性】
・優れた皮膚柔軟性
・ほかの多くのキャリアオイルよりも表皮の透過性が高い
・保湿作用、しわ予防
・皮膚の炎症全般
・肌に栄養を補給して若々しさを取り戻す
【ポイント】
軽くて滑りの良い他のキャリアオイルに、全体の10~25%だけ加えると使いやすい
イブニングプリムローズオイル(月見草油)
【浸透性】普通
【ヨウ素価】140~170
【感触】やや粘性がある
【香り】ほぼ無臭~ややあり
【使用場面】肌、体、心の疲れが続くとき。PMS、ストレス、アレルギー
【主な成分】リノール酸60~75%、γ-リノレン酸10%
【アロマトリートメントでの有効性】
・ホルモンのアンバランス
・更年期の症状
・PMS(月経前緊張症)
・月経痛
・肌の乾燥や炎症
・湿疹
・アトピー性皮膚炎や乾癬に有効
・関節の痛みや炎症
【ポイント】
他のキャリアオイルに10~20%の割合でまぜる。新鮮なうちに使い切る
オリーブ油
【浸透性】普通
【ヨウ素価】80~90
【感触】やや粘性があるが、軽いものもある
【香り】独特の香り、ほぼ無臭もある
【使用場面】体の疲れと痛み、肌や髪のお手入れに
【主な成分】オレイン酸70~85%、リノール酸5~10%、ビタミンA、E
【アロマトリートメントでの有効性】
・火傷
・虫刺され
・皮膚のかゆみ止め
・軽い収れん効果
・痛みや疲労の緩和
・乾燥肌をやさしく保護
【ポイント】
エキストラ・バージンオイルは香りが強いので他のオイルと全体の20~25%だけ混ぜると使いやすい

か行

グレープシード油
【浸透性】普通
【ヨウ素価】125~145
【感触】軽くさらっとしている、肌の上を楽に滑る
【香り】ほぼ無臭
【使用場面】ボディトリートメント、化粧用
【主な成分】リノール酸60~70%、ビタミンE
【アロマトリートメントでの有効性】
・皮膚表面が油っぽくならず滑らかさを残す
・肌のクレンジング
・エモリエント効果があり乾燥肌~脂性肌に向く
【ポイント】
べたつきが残らないので夏場にはおすすめ。早めに使い切る。
ゴマ油
【浸透性】やや良い
【ヨウ素価】103~118
【感触】やや粘性はあるが、普通程度の滑り
【香り】ほぼ無臭、香りがある焙煎ゴマ油は使用しない
【使用場面】ヘアケア、痛みの緩和、血流促進
【主な成分】セサモリン、セサモールなどゴマ特有の抗酸化物質、ビタミンE
【アロマトリートメントでの有効性】
・リウマチと皮膚のコンディション
・毒素排出(デトックス)
・頭皮ケア
【ポイント】
マッサージにはベースのキャリアオイルに約20%の割合で加えると最適
小麦胚芽油(ウィートージャームオイル)
【浸透性】普通
【ヨウ素価】115~140
【感触】粘性が高く、濃厚で重い感じ
【香り】独特の香り
【使用場面】老化肌の再生、唇や手足の乾燥
【主な成分】リノール酸55~60%、オレイン酸20~30%、ビタミンE
【アロマトリートメントでの有効性】
・しもやけ、肌荒れ
・乾燥肌
・炎症した肌
・老化肌
・筋肉疲労
【ポイント】
単品で使用せず全体の5~10%を目安にほかのキャリアオイルと混ぜると良い。
小麦アレルギーの方は避ける

さ行

スイートアーモンド油
【浸透性】普通~ややゆっくり
【ヨウ素価】95~103
【感触】肌のあたりがやわらかい、滑りは普通
【香り】ほぼ無臭
【使用場面】日常的な肌のお手入れ
【主な成分】オレイン酸60~80%、リノール酸約20%
【アロマトリートメントでの有効性】
・抗炎症作用
・保湿作用
・皮膚軟化作用

は行

ヘーゼルナッツ油
【浸透性】とても良い
【ヨウ素価】90~100
【感触】のびやすく、べたつき感が少ない
【香り】香ばしいナッツの香り
【使用場面】荒れた肌の再生
【主な成分】オレイン酸40%、パルミトレイン酸20~25%
【アロマトリートメントでの有効性】
・傷んだ肌の回復
・脂性肌の収れん
・体液循環を促し筋肉に作用する
【ポイント】
独特の香りが気になるときは他のキャリアオイルとブレンドする。
ホホバ油
【浸透性】とても良い
【ヨウ素価】80~85
【感触】滑りが良く、さらっとした使用感
【香り】精製ホホバ油は無臭、ホホバゴールドはかすかな香りがある
【使用場面】ヘアケア、スキンケア全般に。どの肌質にも〇
【主な成分】高級脂肪酸と高級アルコールからなるエステル
【アロマトリートメントでの有効性】
・皮脂バランスを調整
・炎症を抑える
・しわ、しみを防ぐ

ま行

マカダミアナッツ油
【浸透性】とても良い
【ヨウ素価】70~80
【感触】やや粘性はあるが、べたつき感は少ない
【香り】ほぼ無臭、独特の香りのものもある
【使用場面】かゆみのある乾燥肌、老化肌に。
【主な成分】オレイン酸55~70%、パルミトレイン酸15~25%
【アロマトリートメントでの有効性】
・皮膚の若返り
・皮脂の少ない乾燥肌や乾燥によるかゆみに。
【ポイント】
酸化しにくく、長期の保存ができるキャリアオイルで単品使用でもよいが
ホホバ油、スイートアーモンド油、オリーブ油などと混ぜての使用もおすすめ。

ら行

ローズヒップ油
【浸透性】普通
【ヨウ素価】183
【感触】粘性が高く、どろっとしている
【香り】独特の香りあり
【使用場面】肌の若返り、しわ、しみ、色素沈着の予防
【主な成分】オレイン酸10~15%、リノール酸40%、α-リノレン酸20~25%
【アロマトリートメントでの有効性】
・抗炎症作用
・美白作用
・皮膚の再生
・しわや老化を防ぐアンチエイジング
【ポイント】
新鮮なうちに使い切ること。
やや脂臭いので気になるときは他のキャリアオイルと混ぜて使う。
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